きょうの日経サイエンス

2010年10月6日

敵はここにいたか?!

 

ノーベル賞の記事が前後に続く中,のんびりした話題で恐縮です。<(_ _)>
NHK教育放送の「大科学実験」の話題です。

 

今週からまたしばらく再放送が続きます。今晩の放送は「象の重さは?」 象を筏にのせて,どこまで沈んだかを記録することで,象の体重を測ろうという大実験です。

 

初めてにして,(たぶん)最後の海外ロケとなったこの回の収録は2月。日本での撮影も検討したそうですが,日本では象の出演料が高いのと,冬枯れの景色があまりに寒々しいので,東南アジアは微笑みの国・タイでの収録になりました。野生の象ならぬ,ノラ象(by青木裕幸ディレクター)がいるというくらい,象のいる光景が日常となっている国です。

 

動物を使うと言うだけでも大変なのに,言葉も習慣も違う異国の方々との共同作業ですから,エピソードはてんこ盛り。

 

例えば実験レンジャーのコスチューム。日本人だと,何も言わなくても水色の帽子なら水色のシャツと,色をそろえてくれるのですが,ふと見ると,帽子とシャツの色が違っていたり。撮影中の川では,小舟で近寄って来てアイスクリームを売る人がいるかと思えば,「現地スタッフがそれを買っているし・・・」(青木さん)。

 

一方で,準備段階のスッタフを一番ヤキモキさせ,チーフ・プロデューサー・森美樹さんをして「私もやっぱり日本人だったんだ?と思ったわ」と言わしめた現地の方々による筏は,出来上がってみれば,がっちりとしたとても良い仕上がりだったそうです(どういうやり取りだったかは前回の記事をご覧ください)。あの撮影場所は,言ってみればテーマパークのようなところで,観光客に人気のスポットになっています。画面にはうつっていませんがヨーロッパからのご一行さんも。で,このご一行,撮影終了後に勝手に筏に乗り込んできたそうです。「どうも,撮影用の一時的な筏と思わず,園にもともとあった設備と思ったんでしょうね」(青木さん)。それくらい,しっかりした筏でした。

 

さて,海外ロケをするには申請がいります。NHKでは撮影のためとはいえ,動物に危険なことをさせてはいけないという考えから,筏の安全性を重視したそうです。安全性をめぐって,日本で進行管理をした小川浩史プロダクション・マネージャーが苦労したのは前回も書いたとおり。さらには,万一,象が川に落ちた時のことも考え,川に危険な生き物がいないかどうか確認もしたそうです。

 

番組の最後を見れば分かるように,あそこは象の水浴び場所。経験的に危険はないとわかっているのですが,あまりに細かなチェックに「敵はこっちにいたか?!」と思ったとか。

 

NHKエデュケーショナルの「大科学実験」のサイトはこちら