きょうの日経サイエンス

2010年8月12日

12の出来事その11 米国西海岸の地震

発売中の日経サイエンス9月号科学大予測 世界が変わる12の出来事」からサワリをご紹介します。1項目ずつ不定期にアップしますので,またのぞきに来て下さい!

 

出来事11 米国西海岸の地震
2050年までの実現性……ほぼ確実

 

 科学者も市民も,米国西海岸を大地震が襲うとかねて予想してきた。米地質調査所は,カリフォルニア州でマグニチュード6.7の地震が2038年までに起きる確率を99%と見積もっている。しかし,このマグニチュードの数字はもっと大きくなりうる。サンアンドレアス断層の大部分が一度に裂けたら地震のマグニチュードは8.2に達するだろうと,南カリフォルニアで米地質調査所の連鎖災害実証プロジェクトの主任科学者を務めるジョーンズ(Lucy Jones)はいう。
 サンアンドレアス断層は北米プレートと太平洋プレートとの境界をなす。地質学的記録から,この断層はおよそ150年に1回の割合で破断すると考えられるが,最近の大きな動きは約300年前が最後で,その後は大きく動いていない。
 大地震がやってきても,現代的で優れた建築と一般市民に備えを促すキャンペーンのおかげで,かねて恐れられてきたほどの惨事にはならないかもしれない。むしろ,世界の別の地域,貧しくて備えの薄い地域で,中規模の地震が起こった場合のほうが,大きな被害が生じる恐れがある。
 例えば今年1月のハイチ地震では25万人近くの死者が出た。慎重な備えをする余裕がなかった町で断層が突然スリップすると,いかにあっけなく破壊されるか。背筋の寒くなるような実例だ。

 

*次は最終回,出来事12「核融合エネルギー」です。あなたのオッズは? お楽しみに!