きょうの日経サイエンス

2010年8月8日

味わい深い本郷界隈

 現在発売中の9月号の「茂木健一郎 科学のクオリア」では,脳科学者の茂木健一郎さんが植物生態学者の多田多恵子さんとともに東京大学の本郷キャンパスから小石川植物園までブラリ散歩したときの様子を紹介しています。私は後ろにくっついて歩いたのですが,お二人の話を(文字通り)側聞しているうちに,見慣れた街の庭木が新鮮な輝きを帯びてくるように感じられ,「植物ってすごいんだ」と思うようになったのでした。
 そもそも本郷界隈をブラブラ歩く(しかも平日の昼間に)など,これまでに(おそらく今後も?)ないこと。学校をズル休みして知らない街を探険している子どものような楽しさを味わえました。びっくりしたのは誌面にも登場する「本郷館」。よそ見をして歩いていたので,目前に突如現れたように感じられ,その迫力にちょっと後ずさってしまいました。館を眺めていたら,なぜか「ゲゲゲの鬼太郎」を(テーマ音楽付きで)思い出してしまったのでした。少し歩くと,今度はこれまた古びた建物から,中国の南画の仙人のような風体の方がフラリと姿を現したのにも驚きました。本郷界隈はなかなか味わい深いところです。(中島)