きょうの日経サイエンス

2010年4月28日

やってみなくちゃ本当にわからない

 

5回目の『大科学実験』は時速100kmの車と100kmのボール。プロ並みのスポーツ選手ならばともかく,凡人には目で追うのも難しい高速の世界です。

 

しかも,100kmちょうどで走り,100kmちょうどで飛ばなければなりません。それを一度に0.06秒しか撮影できないウルトラハイスピードカメラで撮影しようと言うのです。

 

この話をNHKエデュケーショナルの森美樹チーフプロデューサーから聞いたとき,うまく行くのかなぁと思いました。

 

ピッチャーが腕を回転させて投げるのを模した普通のピッチングマシンだと,発射されたときに100kmというのは難しいそうです。でも,予備調査を始めてすぐに「そういう実験ならば,あそこのマシンを使うしかない」と紹介があったのだとか。それが,九州の町工場。
番組でおわかりいただけるように,空気銃の原理で設定スピードどおりに球を発射します。本当に設定どおりなのだそうです。すごいです。さすがは日本が誇る町工場の実力です。

 

100kmちょうどで車を走らせるのも難しいのでは? と,へなちょこドライバーの私などは思いますが,森さんによれば「そこはプロドライバーですから。さすがはプロって感じでした♥」と,珍しく語尾にハートマークまで付けて話してくれました。

 

残るは,ウルトラハイスピードカメラでの撮影です。撮影時間の短さもですが,カメラの画面に収まる範囲も狭いです。これは,番組で簡単に説明があったとおり,車が通過したのをセンサーでとらえ,スイッチが入るようになっています。でもスイッチが入って,実際にカメラが回るまでの遅れ時間は……などと思うのですが,そこはもちろん綿密な計算で,センサーからカメラまでの距離を割り出します。これもNHKのウルトラハイスピードカメラの技術スタッフがいい仕事をしたそう。

 

かくして,実際の撮影では,ほとんど失敗なしにきわめて順調に撮れたのだそうです。
私めの「この撮影は大変そう」という予想は見事に外れました。
細野さんのナレーションをまねします。「やってみなくちゃ,わからない」

 

この撮影の時には,ピッチングマシンの製作会社が九州から親子三代で駆けつけて見守ったそうです。ちょっといい話ですよね。

NHKエデュケーショナル『大科学実験』はこちらから