きょうの日経サイエンス

2010年4月21日

お日さま!

 

すみません。このところの天候不順で,曇りや雨の日が多いので,つい,こんなタイトルにしてしまいました。今回の『大科学実験』の今回のテーマは太陽光です。

 このところの日照不足も大いに気になるところですが,この実験では(前々回のクジラのソーラーバルーンもそうですが)天気がすべてです。背景でセミの声が聞こえることからもわかる通り,収録日は真夏。昨年の8月に行われました(制作チームのお部屋でお話を聞いていたら,「暑かったよな?」という声が横から聞こえてきました)。

 

 舞台は近未来的なイメージの建物が印象的な某大学のキャンパス。今回の主役は同心円状に配置した鏡たちですが,地面にもご注目あれ。タイルまで同心円になっています。ロケ地の選定班,いい仕事してます。

 

 映像はすべて実写で,特殊効果を使わないのが,この『大科学実験』のウリの1つ。今回の実験ももちろんすべて実写。でも,太陽光が足りずに鏡を増加させるときの「シャキーン」というロボットアニメの「合体!」を思わせるような音は,もちろん,後から付けたただの効果音。とはいえ,実験のもうひとつの主役であるステーキが焼ける,あのジューというおいしそうな音はその場で録った本物の音なのだそうです。

 

 撮影には太陽を追いかけて,鏡の向きを微調整しないといけない,雲の行方にやきもきするなど,いつもの苦労がつきまといましたが,わりと順調にすんだようです。
 「クジラの時と違って,危険も少ないしねぇ」と,うっかり口にしたら,チーフプロデューサーの森美樹さんに笑いながらも反論されました。「武器ですよ,武器。あの光は立派に武器になります」。うん,確かに。

 

 この番組づくりにかかわる人たちは理系の人が多いです。なので,「こういうことをやってみよう!」と決まると,すぐに“計算”を始めます。すると,森さんは決まって「また,計算が始まったよ?」と言います。彼女の言う“計算”には,実際に数字をいじくり回す前に,何を考慮すればいいのかを頭の中で(ときにはぶつぶつと独り言のように呟きながら)考えることも含みます。
 どの実験もかなりの量の計算と,それをもとにした予備実験,さらにまた計算……から成り立っています。でも,そうした地味な苦労を一切,感じさせないクールな番組に仕上げるのが,『大科学実験』の作り手たちの心意気。
 でも,今回の実験では,まさにその計算の成果である数字のいっぱい入った表がほんのチラリとですが,画面に出てきます。なかなかおしゃれな設計図に仕上がっていましたけれどね。

NHKエデュケーショナルの『大科学実験』はこちら