きょうの日経サイエンス

2010年4月14日

16cmのコップは普通サイズ?

 

NHK教育テレビで放送中の『大科学実験』の3回目は「コップは力持ち」。大気圧の実験です。
コップにいっぱいの水を入れてぴったりと蓋をすると,逆さにしても蓋は落ちません。ちょっと引っ張ったくらいでは落ちません。この蓋にフックを取り付け,お相撲さんを持ち上げるという大実験です。

 

今回もNHKエデュケーショナルの森美樹チーフプロデューサー(CP)に制作ウラ話を聞きました。

 

詫摩「巨大なコップでお相撲さんを吊り下げたと…」
森「巨大っていうのは違います。普通の大きさですよ」

 

後で聞いたら16cm。それって,コップではなく鍋のサイズだと思うのですが……。森CP,大がかりな実験ばかりしているので,サイズの感覚が少しズレ始めているようです。

 

詫摩「前回のクジラに比べれば,危険は少ないですよね?。上手くいかなくても,水をかぶるくらいだし」(私たちの間で「クジラの回」は危険度や大変さの物差しになっています;クジラ記事はこちらから
森「予備実験のスタッフはコップをいくつも割ってヒヤヒヤしたって言ってましたけどね。ビニール傘を楯代わりにしてましたよ」

 

蓋がどのくらい耐えられるかを調べる引っ張り試験で,耐えられなくなった蓋が落ちると,反動でコップが大きく揺れます。そのときに装置などにぶつかって割れ,その破片が飛んでくるそうなのです。なので,予備実験中のスタッフはビニール傘ごしに実験を見守っていたとか(ちなみに格安コップは柄のところで折れやすいそうです)。

 

番組の大実験では危険だからと,お相撲さんの頭上に透明な笠のようなものを吊していますが,これにはこういった事情があるのです。とはいえ,水がこぼれて髷(まげ)がぬれると厄介だ,というのもあったようです(2回,水をかぶったそうです)。

 

成功して,お相撲さんの足が床から離れると,見事宙づりになったお相撲さんは回転し始めてしまったのだとか。実験レンジャーさんがカメラに写らないようにお相撲さんの足を押さえて回転を止めたそうですが,笑いをこらえるのが大変だったとか。しかし,回転してしまうとは……。やってみなくちゃわからないものです。

 

そして,実はこの回,お相撲さんに登場してもらうというのはなかなかチャレンジングでもありました。というのは,共同制作のパートナーである「アルジャジーラ子どもチャンネル」は人物を撮るときにさまざまな制約があるそうなのです。女性はもちろん,男性も肌が過度に露出しているのは御法度。人物を足元から見上げるような角度での撮影もNGなんだそうです。たとえば,第1回の「音の速さ」に登場した女性歌手,首元が見えていますよね? あの程度でも,相当,難色を示されたのだとか。(写真はこちら)

 

森「アルジャジーラ子どもチャンネルのスタッフも覚えきれないほどの“?するべからず”があって,電話帳なみの規定集があるんです」
詫摩「お相撲さんは? “肌の露出”どころではないと思うけれど」
森「事前に確認しましたよ?。スモウ・レスラーは国際的にも認められた存在なのでOKなんですって」

 

ほぉ?。あれだけ肌を露出していても「スモウ・レスラー」ならばいいのか?。
聞いてみなくちゃわからないものだわ。