日経サイエンス  2020年11月号

特別解説:COVID-19 見えてきた治療薬

特別解説:COVID-19 見えてきた治療薬

出村政彬(編集部)

流行当初,この病気の治療は全てが手探りだった。しかし流行から8カ月あまりが経ち,COVID-19の病態がわかるにつれて治療薬の戦略は明確になってきている。


COVID-19が重症化する場合には,時間と共にその病態が変化することがわかってきた。ウイルスが増殖し,免疫系がウイルスを排除しようと正常に反応している段階と,免疫系の反応そのものが体に悪影響を及ぼす段階だ。このことから,ウイルスの動きを封じる治療薬と,免疫系の暴走を食い止める治療薬が必要になることがわかる。


前者についてはレムデシビル,後者についてはデキサメタゾンという治療薬の効果が大規模治験で確認された。その他の治療薬についても治験が進行中だ。情報科学を用いた創薬など,新薬の開発に関する新たなアプローチも盛んになっている。病態の理解と合わせて,治療薬研究の現状について紹介する。

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