日経サイエンス  2020年11月号

特集:アルツハイマー病

SCIENTIFIC AMERICAN編集部/日経サイエンス編集部

 世界で4000万〜5000万人が患っている認知症の最大の原因がアルツハイマー病だ。脳に特徴的な病変が生じるこの病気は,1906年に初めて報告され,治療薬開発の試みが長年続けられてきたが,効果を実感できる薬はいまだ存在しない。病変の本体である異常タンパク質,アミロイドβを除去する薬が精力的に探索されてきたが,臨床試験の多くが失敗に終わった。1つ確かなのは,脳に病変が出現してから発症に至るまでに,多くの場合,数十年の時間がかかるということだ。その間に一体何が起きるのか。脳における異常タンパク質の除去や免疫の働き,女性の閉経や大気汚染との関連など,これまで見過ごされてきた要因に目を向け,病気の発症を抑えるための糸口を探る試みが進んでいる。

弔鐘の記憶 ある患者家族の手記  J. シャーキン
発病の謎を解く新たな視点  K. S. コシク
なぜ女性に患者が多いのか 更年期に起こる脳の変化  J. ピンコット
浮上した大気汚染のリスク  E. R. シェル
発症を抑える治療を目指す  西道隆臣

原題名

A New Era for Alzheimer’s(SCIENTIFIC AMERICAN May 2020)

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