日経サイエンス  2020年8月号

特集:室温超電導 実現への突破口

新たな有力候補  超高圧の量子固体

中島林彦(日本経済新聞) 協力:只野央将(物質・材料研究機構) 是常隆(東北大学) 有田亮太郎(東京大学/理化学研究所)

超高圧下で安定なランタン水素化物LaH10の結晶が,これまでより約50度も高い−20℃から−10℃で超電導になることが昨年,報告された。当初予想では200万気圧超でなければ,この結晶は実現しないと考えられたが,それより100万気圧近く低い環境で安定だった。その理由は,この結晶が,量子ゆらぎの影響が強く表れる「量子固体」という特殊な状態になっているためであることがわかった。

 

協力:只野央将(ただの・てるまさ)/是常 隆(これつね・たかし)/有田亮太郎(ありた・りょうたろう)
只野は物質・材料研究機構研究員(磁性・スピントロニクス材料研究拠点磁性理論グループ)。是常は東北大学准教授(大学院理学研究科物理学専攻)。有田は東京大学教授(大学院工学系研究科物理工学専攻)で理化学研究所創発物性科学研究センター計算物質科学研究チームのチームリーダーを兼務する。3人は今回の研究成果をまとめた論文の共著者。

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水素の金属を作る」,W. J. ネリス, 日経サイエンス2000年8月号。

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