日経サイエンス  2020年6月号

フロントランナー挑む 第102回

テラヘルツ波と行動力で宇宙開発の未来を切り開く:笠井 康子

小玉祥司(日本経済新聞編集委員)

火星を観測する超小型探査機「TEREX」のプロジェクト代表を務める
テラヘルツ波観測の専門家で,欧州の木星探査計画にも関わる
独創的な発想と粘り強い行動力で世界の先を見据えた宇宙開発を目指す

 

「光」と「電波」の境界に位置づけられるテラヘルツ波は,幅広い可能性を持つと期待され,応用が始まったばかりだ。情報通信研究機構(NICT)テラヘルツ研究センター上席研究員の笠井康子は,このテラヘルツ波で宇宙から地球の環境変動を調べるほか,木星や火星の探査を目指す。科学研究にとどまらず行政にまで踏み込みリーダーシップを発揮,宇宙開発の未来を切り開こうとしている。  (文中敬称略)

笠井康子(かさい・やすこ)
情報通信研究機構(NICT)テラヘルツ研究センター上席研究員。東京都出身。1995年東京工業大学理工学研究科博士課程修了。理化学研究所などを経て2000年郵政省通信総合研究所(現NICT)研究官。2016年から現職。2010年より東京工業大学や筑波大学で連携教授や客員教授として教鞭をとるほか,2014年より総務省国際戦略局技術政策課にも所属している。2019年からは内閣府科学技術・イノベーション担当も兼務。

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