日経サイエンス  2020年5月号

フロントランナー挑む 第101回

マイクロチップに血管作製 リアルな生命現象に挑む:佐藤香枝

滝順一(日本経済新聞編集委員)

手のひらに乗る流体デバイスで血管内皮細胞などを培養
創薬や疾患治療に役立つ血管モデルの実現を目指す
胎児段階の造血組織分化の仕組みの解明にも迫る

 

日本女子大学理学部教授の佐藤香枝は,手のひらに乗るほど小さな「マイクロ流体デバイス」の中で細胞を培養し,血管で起きている現象をできるだけ正確に模擬できる血管モデルの実現に挑んでいる。創薬や新しい治療法の開発に役立つほか,胎児の造血組織が分化していく仕組みの解明につながる。            (文中敬称略)

佐藤香枝(さとう・かえ)
日本女子大学理学部教授。東京都出身。1993年日本女子大学家政学部家政理学科Ⅰ部卒。1999年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。2002年理化学研究所基礎科学特別研究員,2004年東大大学院工学系研究科助手。2009年日本女子大理学部准教授を経て2018年から現職。