日経サイエンス  2020年1月号

nippon天文遺産 第25回

臨時緯度観測所本館と眼視天頂儀(上)

中島林彦(日本経済新聞) 協力:渡部潤一/亀谷 收(ともに国立天文台) 大江昌嗣(イーハトーブ宇宙実践センター・国立天文台)

 岩手県の北上盆地にある奥州市水沢は明治時代から天文台の街として知られる。近代日本が威信をかけて取り組んだ初の国際的な天文観測事業が行われた地だ。北緯39度8分の線上に並ぶ形でユーラシア大陸と北米大陸に6つの天文台を建設,天文観測から緯度変化を求め,地球の自転軸の動きを明らかにする事業だった。1899年(明治32年),そのうちの1つとして極東地域に唯一建設されたのが水沢の「臨時緯度観測所」だ。建物と観測に使われた望遠鏡「眼視天頂儀」は,観測所があった国立天文台水沢キャンパスに保存・展示されている。 (文中敬称略)

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