日経サイエンス  2020年1月号

特集:深海生物

何も見えない暗闇と思われてきた深海には,多数の発光生物が存在している。彼らはなぜ,そしてどうやって光るのだろうか。沖縄近海の深海底では「光るサメ」が撮影され,ハダカイワシと呼ぶ魚では光を放つ巧妙な仕組みが明らかとなった。魚にイカ,エビ,陸上のホタルやキノコに至るまで,発光生物たちは実に多種多様な生態と光る仕組みを持つ。彼らを通じて見えてくるのは,進化という現象の新たな側面だ。
「地球はクラゲの惑星」。最先端の映像技術を駆使し,深海に漂うクラゲの観察手法を確立しようとする研究も進む。クラゲを知ることは海の生態系の理解につながる。深海には私たちに見えていないものがまだたくさんある。

 

 

光るサメの謎  出村政彬 協力:佐藤圭一/大場裕一/近江谷克裕

深海クラゲの世界を見る  中島林彦 協力:D. J. リンズィー