日経サイエンス  2019年12月号

特集:真実と嘘と不確実性

数学は発明か発見か

第1部:真実を問い直す

K. ヒューストン=エドワーズ(オーリン工科大学)

数学が扱っている対象は実在するのか,それとも純然たる想像の産物なのか? この問題について,数学者は2つの相容れない見方を同時に抱くことが多い。例えば素数は互いに驚くべき関係を持っており,現在も新たな関係性の発見が続いている。そうした予想外の眺望を探る余地があるということは,数学が扱う対象が人間とは独立に存在しているという考え方を支持する。しかし数学の対象が実在であるなら,誰もそれを見ることも触ることもできないのはなぜなのか? 数学者はこうした疑問から,数学的対象の世界は実は作り事であるという見方を受け入れることにもなる。

著者

Kelsey Houston-Edwards

オーリン工科大学の数学の助教。公共放送サービス(PBS)のネット配信番組PBS Infinite Seriesの数学番組を制作したほか,科学サイトNOVA Nextで米国科学振興協会(AAAS)マスメディアフェローを務めた。

原題名

Numbers Game(SCIENTIFIC AMERICAN September 2019)

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