日経サイエンス  2019年12月号

大特集:真実と嘘と不確実性

編集部

科学は真偽を決める客観的な物差しだと考えられている。だが実のところ,客観的な「真実」とは何かを決めるのは,科学にとっても難しい。物理学では実在とは何かを問う議論が決着せず,数学の扱う対象が人間と無関係に存在するのかどうかも判然としない。我々が知覚する世界は物理世界とは違うし,我々が感じる危機感は実際の確率とは乖離している。不確実性に満ちた世界の中で我々は「真実」をどう捉えているのか,科学を通して考える。

 

 

【第1部:真実を問い直す】

物理学におけるリアリティー  G.マッサー

数学は発明か発見か  K. ヒューストン=エドワーズ

脳が「現実」を作り出す  A. K. セス

 

【第2部:嘘という行為】

嘘をつく動物たち  B. J. キング

デマ拡散のメカニズム  C. オコナー/J. O. ウェザオール

腐敗は伝染する  D. アリエリー/X. ガルシア=ラダ

選挙を狙うハッキング攻撃  J. A. ハルダーマン/J. シュワルツ

 

【第3部:深まる不確実性】

過剰な心配,過小な心配 リスク判断の心理学  B. フィッシュホフ
エラーバーの読み方  J. ハルマン

自己不確実感が社会を脅かす  M. A. ホッグ

情報操作社会に生きる  C. ウォードル