日経サイエンス  2019年11月号

特別リポート:生殖医療の現在

抜け落ちた視点 月経の科学的解明

V. ソール=スミス(ジャーナリスト)

雌が周期的に出血する「月経」があるのは,ヒトのほかはチンパンジー,コウモリ,ハネジネズミなど一部の動物だけだ。大部分の哺乳類は発情することで生殖可能のシグナルを出し,発情期の終わりに子宮内膜を吸収している。

 

出血には明らかな不利益がある。鉄分やタンパク質などの栄養分を失い,おそらく捕食者を引きよせることにもなるからだ。ヒトはなぜこのような仕組みを進化させたのだろうか。それは,人類の歴史において女性が生涯にわたって経験してきた月経の回数が,今よりずっと少なかったことと関係がありそうだ。

著者

Virginia Sole-Smith

ジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズ紙,ハーパーズ・マガジン,エルなど数多くの刊行物にフェミニズム,身体イメージ,健康に関する記事を書いている。

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子宮内膜症 ようやく始まった解明」,J.ピンコット,日経サイエンス2019年1月号。

原題名

The Point of a Period”(SCIENTIFIC AMERICAN May 2019)

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