日経サイエンス  2019年10月号

特集:カンブリア前夜

最古の左右相称動物 モンゴルで生痕化石を発見

中島林彦(日本経済新聞) 協力:大路樹生(名古屋大学)

哺乳類や魚類など現生動物の共通祖先となる最初の左右相称動物が登場したのは,生命が爆発的な進化をした古生代カンブリア紀だとされる。しかしカンブリア紀最初期の赤道域付近においては,そうした動物がすでにかなり多様性を持ち,大型化していたことが,当時の海底に刻み込まれた動物の活動の痕跡である「生痕化石」からわかってきた。そこでカンブリア紀の前のエディアカラ紀の赤道域の海底の地層を調べたところ,当時,すでに左右相称動物が登場していたことを示す生痕化石が見つかった。赤道域においては,生命の爆発的な進化の“助走”がエディアカラ紀から始まっていたようだ。

著者

中島林彦 / 協力:大路樹生

中島は日本経済新聞記者。大路は名古屋大学博物館教授で館長を兼務。専門は海洋生物学,古生物学,地史学。エディアカラ紀からカンブリア紀初期にかけて起きた多細胞動物の出現と適応放散の実態を生痕化石や微小有殻化石群から探っている。またウミユリ類の分類と系統,進化史,古生物地理などについて,現生と化石の両者を対象に研究している。

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