日経サイエンス  2019年9月号

特集:ワクチンの予想外の功罪

18世紀末以来,感染症を予防するワクチンは多くの命を救ってきた。確立した医療技術と考えられがちだが,従来の“常識”に反する効果が報告され,議論を呼んでいる。1つは生ワクチンが様々な感染症に対する広範な防御能力をもたらしていることを示唆するデータだ。特定の病原体を撃退する適応免疫ではなく,より基本的な自然免疫を刺激している可能性がある。一方,初めて認可されたデング熱ワクチン「デングワクシア」を導入したフィリピンで,接種を受けた子供がその後デングウイルスに感染すると病状がむしろ重くなり,死亡例も出た。原因として「抗体依存性感染増強」という現象の可能性が指摘されている。

 

 

自然免疫を刺激? 疫学データが示す可能性

M. W. モイヤー

デング熱ワクチンの混迷 抗体依存性感染増強

S. ヤスミン/M. ムカジー

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