日経サイエンス  2019年7月号

躁だけの躁うつ病

S. メイキン(サイエンスライター)

うつだけを示す単極性うつ病はあるが,単極性の躁病は独立した診断名としては存在しない。だが米国では,うつに陥ったことなく躁だけを何度も経験する人が数千人はいるとみられる。精神科医の多くは単極性躁病は確かにあると認めながらも,躁とうつを繰り返す双極性障害から躁病を切り分けることには慎重だ。躁病が診断名となれば,この病を広く社会に知らせ,研究を進めるきっかけになるかもしれない。

 

 

著者

Simon Makin

ロンドンに拠点を置くフリーランスのサイエンスライター。

監修 神庭重信(かんば・しげのぶ)
九州大学名誉教授,精神科医。専門は精神神経免疫学。著書に『こころと体の対話─精神免疫学の世界』(文春新書),『思量と願い─精神医学の風景』(九州大学出版会)など。

原題名

The Undiscoverd Illness(SCIENTIFIC AMERICAN March 2019)

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