日経サイエンス  2019年7月号

特集:顔 その役割と進化

誰に教わることもなく,顔を見分けられる私たちヒトの認識能力。その能力は一体いつ備わったのだろうか。最近の動物行動学の研究によれば,魚類がその謎を解くカギを握っている。野生の魚類の観察からは,生存戦略の上で顔認識が持つ意味も見えてきた。ヒトは一人ひとり異なる見た目を持ち,表情を作れる顔を持つが,その発達の過程にも魚類が大きな役割を果たしているようだ。また,近年の脳科学研究から,長い歴史をかけて発達した顔認識のメカニズムが神経細胞レベルで解明されつつある。ニューロンの電気活動と顔画像の関係を統計的に解析することで,脳の顔認識アルゴリズムが具体的に浮かび上がってきた。

 

 
認識能力の起源を探る  出村政彬

ヒトはどう見分けているか  D. Y. ツァオ