日経サイエンス  2019年6月号

ジャンク化石の山から人類史の宝を探す

T. ハイアム(英オックスフォード大学) K. ドウカ(独マックス・プランク人類史科学研究所)

 デニソワ洞窟など中期〜後期旧石器時代の遺跡では多くの化石骨が見つかっているが,そのほとんどは小さすぎて解剖学的特徴から種を特定できない。動物の骨の同定に使われてきたZooMSを用いることで,ジャンク化石の山から人類の骨を迅速に探し出せるようになった。この方法で初めて同定された長さ25mmの人骨は,遺伝子解析の結果,父がデニソワ人で母がネアンデルタール人の個体のものだと判明した。

著者

Thomas Higham / Katerina Douka

ハイアムは英オックスフォード大学のオックスフォード放射性炭素加速器ユニットのディレクター。研究テーマはユーラシアの旧石器時代中期から後期の遺跡で発掘された骨の年代測定。

ドウカは独イエナにあるマックス・プランク人類史科学研究所の考古科学者。アジアの遺跡で発掘された正体不明の骨片の中からネアンデルタール人とデニソワ人の化石を探し出す研究チームを率いている。

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ホモ・サピエンス成功の舞台裏」,K. ウォン,日経サイエンス2018年12月号

原題名

Needle in the Haystack(SCIENTIFIC AMERICAN December 2018)

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