日経サイエンス  2019年6月号

フロントランナー挑む 第92回

ロボット使う疑似体験 提唱から実用化へ:舘暲

吉川和輝(日本経済新聞編集委員)

本人に代わりロボットが外出したり作業したりするテレイグジスタンス
1980年代に提唱したアイデアの実用化が視野に入ってきた
遠隔操作はもちろん,遠隔旅行や遠隔就労も夢ではないかもしれない

 

ロボットが本人に代わって観光地を訪れたり,工場で作業に携わったりする。本人は別の場所にいながらロボットと一体化した感覚で操作する――。テレイグジスタンス(遠隔存在)と呼ばれるこうした技術体系を1980年代に提唱したのが東京大学名誉教授の舘暲だ。この分野への企業参入も増えており,舘は時代が追いついてきたとの思いを強くしている。 (文中敬称略)

舘暲(たち・すすむ)
東京大学名誉教授。1946年生まれ。1968年東京大学工学部卒,東大大学院工学系研究科(計数工学専攻)に進み1973年工学博士。通商産業省工業技術院機械技術研究所を経て東大助教授,同教授。2009年から2015年まで慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授・国際バーチャルリアリティ研究センター長。2015年から東大高齢社会総合研究機構。

サイト内の関連記事を読む