日経サイエンス  2019年4月号

福島第1原発事故 個人被曝線量の解析論文に疑義

滝 順一(日本経済新聞) 古田 彩(編集部)

 東京電力福島第1原発事故の後,福島県伊達市で住民が個人線量計を使って測定した被曝(ひばく)線量データを解析した2本の論文が揺らいでいる。主な疑義は2つ。提供に同意していない人の測定データが使われるなど研究実施の手続きに問題があったとみられることと,累積被曝線量の見積もりなど解析で得られた数値に不整合があることだ。東京大学と福島県立医科大学,伊達市がそれぞれ調査を開始した。