日経サイエンス  2019年2月号

フロントランナー挑む 第88回

光学顕微鏡のマジシャン タンパク質挙動を可視化:西坂 崇之

滝順一(日本経済新聞編集委員)

生物の体を構成するタンパク質を解明できれば生命の謎に迫れる
改良した光学顕微鏡でタンパク質の動きを可視化した成果には
世界的権威の学者から企業までが注目している

 

回転するべん毛や伸縮する筋肉など細菌や動物はエネルギーを物理的な動きに変換する仕組みを体内にもつ。学習院大学理学部教授の西坂崇之は変換システムを構成するタンパク質の機能解明を通じて生命の謎に迫ろうとしている。その有力な手段が分子の動きを可視化するために工夫を凝らして開発した光学顕微鏡だ。   (文中敬称略)

西坂崇之(にしざか・たかゆき)
学習院大学教授。1968年生まれ。1996年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了後に米デューク大学に留学。1998年科学技術振興機構CREST研究員,2001年情報通信研究機構研究員を経て2003年に学習院大学助教授,2008年から現職。