日経サイエンス  2018年12月号

特集:新・人類学 第3部 明日の姿

人類という奇跡

J. グリビン(サイエンスライター)

天の川銀河には多数の系外惑星があるので,生物もたくさんいるだろうと考えるのは筋が通っているように思える。しかし,人類の知的文明が生じるには一連の異例の出来事が起こる必要があった。そうした幸運がどこか他の場所でも生じている可能性はかなり考えにくい。例えば天の川銀河の歴史のなかで太陽系が生まれたタイミングは幸運な時期だったし,銀河系における太陽系の位置も生命にとって幸いだった。加えて,地球は非常にまれな特徴をいくつか備えており,地球上で生命進化を誘発した条件は他の場所ではありえなかった可能性がある。何より最も起こりにくかったのは,最初の原始的生命体から人間のような技術文明を持つ生物への発展だろう。これはおそらく,ほかにはないユニークな出来事だ。

著者

John Gribbin

サイエンスライター。宇宙物理学者として英サセックス大学で天文学の客員研究員を務めている。著書に「Alone in the Universe」(ワイリー,2011年)がある。

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宇宙的な平凡・非凡を考える新たな視点 コズモ・カオティック原理」,C. シャーフ,日経サイエンス2015年1月号。

原題名

Alone in the Milky Way(SCIENTIFIC AMERICAN September 2018)

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