日経サイエンス  2018年8月号

革新的な触媒目指し 独自の可視化技術駆使:唯 美津木

永田好生(日本経済新聞シニア・エディター)

触媒研究の常道は合成か分析か一方に取り組むこと
だが,両方をこなして画期的な触媒を実現しようとしている
成果を連発,世界が注目している日本の気鋭だ

 

 

日本は伝統的に触媒研究が強い。その中核的な拠点である名古屋大学で女性研究者が活躍している。2013年に34歳で教授に就いた唯美津木だ。ノーベル賞にゆかりのある物質科学国際研究センターの4階に研究室を構え,新たな化学反応の開拓につながる触媒の開発を目指している。 (文中敬称略)

唯 美津木(ただ・みづき)
名古屋大学教授。1979年東京都生まれ。2001年東京大学理学部卒業。東大大学院理学系研究科博士課程に在籍中の2004年,助手に就任。2005年博士号取得。分子科学研究所准教授などを経て2013年から現職。理化学研究所放射光科学総合研究センターのチームリーダーを兼務。日本化学会の進歩賞(2008年)や文部科学大臣表彰若手科学者賞(2010年)などを受賞した。