日経サイエンス  2018年7月号

nippon天文遺産 第17回

三鷹国際報時所の門柱

中島林彦(日本経済新聞) 協力:渡部潤一/中桐正夫(ともに国立天文台)

国立天文台の三鷹キャンパスは面積が約26万m2と東京ドーム6個弱ほどの広さがある。前身となる東京大学東京天文台の敷地を受け継いでいるが,終戦直後まで,敷地の半分近くは「三鷹国際報時所」という別組織が使っていた。世界各地の天文台からの時報信号を受信する施設で,高さ60mに達する4本の電波鉄塔が終戦直前まで立っていた。役目を終えた施設の跡地は雑木林や草むらになったが,わずかに門柱などが残っている。(文中敬称略)

三鷹国際報時所は日本の標準時の歴史を語るうえで欠かすことのできない存在だ。現在,時刻は原子時計によって決められており,時差はあっても時計の刻みは全世界共通だ。だが昭和時代の半ばまで世界各地の時刻は各国天文台が天体の日周運動を精密に観測して決めており,日本では東京天文台がその任に当たっていた。

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