日経サイエンス  2018年6月号

フロントランナー挑む 第81回

生物の進化を予測する:入江直樹

詫摩雅子(科学ライター)

今ある生物は,将来どういう姿にならば進化しうるのか
過去に起きた進化の道筋を解明するだけでなく
科学の言葉で今後を語る「予測性のある進化の理論」を目指す

 

 

進化は生物学の根幹にあるテーマだ。しかし,進化研究の多くは,過去に何が起きて現在の状態になったかを解明するもので,いわば歴史を学ぶことに近い。そこからさらに進み,今ある生物が将来,どのような姿になりうるかを予測できないか。東京大学大学院理学系研究科准教授の入江直樹が取り組んでいるのは,そうした「予測性のある進化理論」の構築だ。 (文中敬称略)

入江直樹(いりえ・なおき)
東京大学大学院理学系研究科准教授。1978年京都市生まれ,大阪育ち。神戸大学理学部生物学科を卒業後,京都大学大学院医学研究科に進み,2008年に博士課程を修了。同研究科附属先天異常標本研究センター,理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB;現・生命機能科学研究センター)を経て,2013年より現職。専門は進化生物学。一般向けの著書に『胎児期に刻まれた進化の痕跡』(慶應義塾大学出版会,2016年)がある。

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