日経サイエンス  2018年5月号

フロントランナー挑む 第80回

暗号技術で生活を便利に 安全な社会の設計者:佐古 和恵

滝 順一(日本経済新聞編集委員)

仮想通貨やAIなどITは社会を便利にすると期待されている
だが,単に便利な社会は攻撃者にも便利で不安をもたらす
暗号技術を駆使して安全,安心な社会の実現を目指す

 

 

情報技術(IT)は生活を便利にすると同時に不安や脅威をもたらす。仮想通貨やAIなどが登場し,セキュリティーを確保する手立ての重要性が強く認識されるようになった。NEC技術主幹の佐古和恵は暗号技術を適材適所で使いこなし生活者の目線で安全,安心なIT社会を実現しようと研究開発に取り組んでいる。  (文中敬称略)

 

 

佐古 和恵(さこ・かずえ)
NECセキュリティ研究所 技術主幹。1964年神戸市生まれ。1986年京都大学理学部(数学)を卒業後,NECに入社。以来,電子投票システム,電子抽選システム,匿名認証方式など,暗号プロトコル技術を用いてセキュリティー,プライバシー,公平性を保証する方式の研究開発に取り組む。2014年より現職。日本学術会議連携会員や第26代日本応用数理学会会長,平成29年度電子情報通信学会副会長を務める。