日経サイエンス  2017年11月号

特集:見えてきた記憶のメカニズム

連想を生むニューロン集団

A. J. シルバ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)

「一見魅力的な投資話に乗る価値があるかどうかは,その情報の出所で決まる。例えば,その話を持ってきた人物が誠実かどうかだ。情報の出所とその人の性格についての記憶がリンクしていないと,惨憺たる結果を招きかねない。神経科学では現在,異なる時刻や場所にまたがる記憶を脳がどのように関連づけているかを明らかにする研究が始まっている」(本文より)

 

記憶を保持するニューロンは,脳にある数多のニューロンの中からランダムに選ばれるわけではない。どのニューロンがどの記憶を担うかを決める仕組みがある。どの記憶がどの脳細胞に割り当てられるかによって,記憶どうしが関連づけられるかどうかが決まる。時間的に離れた2つの出来事の記憶は別々の細胞集団によって保持されるが,直近に続けて起きた出来事の記憶は,それを保持する細胞集団の多くがオーバーラップしている。記憶と連想がどのような仕組みで引き起こされるのか,この分野のパイオニアであるシルバ米カリオフォルニア大学ロサンゼルス校教授が解説する。

 

 

再録:別冊日経サイエンス224「最新科学が解き明かす脳と心」

 

著者

Alcino J. Silva

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の特別教授で,同大学学習と記憶の統合研究センター長。彼の研究室(www.silvalab.org)は,記憶のメカニズムおよび記憶障害の原因と治療法を研究している。

原題名

Memory’s Intricate Web(SCIENTIFIC AMERICAN July 2017)

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