日経サイエンス  2017年11月号

フロントランナー 挑む 第74回

北極環境研究の精鋭 世界の気象学を牽引:猪上淳

池辺豊(本経済新聞シニアエディター)

大気と海洋の相互作用に極地の海氷挙動を加えた理論で注目を集めた
今年度の日本気象学会賞を受賞,国際研究では中核メンバーだ
研究だけにとらわれないライフスタイルも追い求めている

 

 複雑な気候変動はどうやったら解明できるか──。世界中の研究者を悩ませているこの難題に挑んでいるのが国立極地研究所准教授の猪上淳だ。大気と海洋の相互作用に極地の海氷を加えた研究分野を開拓し,国際的な研究プロジェクトを牽引。さらに,研究だけにとらわれない新しいライフスタイルも追い求めている。   (文中敬称略)
 今年5月に東京で開かれた日本気象学会春季大会の目玉イベントであるシンポジウム「最新の気象学が描き出す多彩な大気海洋結合現象」。講演後のパネルディスカッションで壇上に学界の重鎮らそうそうたるメンバーが居並ぶ中,会場からの質問をほぼ一手に引き受け,最も注目を集めていたのが猪上だ。前日に今年度の日本気象学会賞を受賞。まさに旬の研究者といっていいだろう。

 

続きは発売中の2017年11月号にて

猪上淳(いのうえ・じゅん)
国立極地研究所国際北極環境研究センター准教。1974年函館市生まれ。1997年弘前大学理学部卒,2001年北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了。コロラド大学,ジョージア工科大学研究員などを経て,2004年海洋研究開発機構入所,チームリーダーなど歴任。2012年極地研気水圏研究グループ准教授。2015年から現職。共著書に『天気と海の関係についてわかっていることいないこと』(ベレ出版)など。

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