日経サイエンス  2017年9月号

ALSに新たな手がかり アンチセンス医薬の可能性

L. ペトルチェリ(メイヨー・クリニック) A. D. ギトラー(スタンフォード大学)

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は脳と脊髄から全身の筋肉につながる神経細胞が冒される疾患だ。この病に倒れた大リーガーの名を取って「ルー・ゲーリック病」ともいわれ,物理学者のホーキングの例がよく知られる。日本にも約1万人の患者がいる難病で,治療法はいまだにない。しかし近年のゲノム解析によって,いくつかの遺伝子のいずれかが変異しているとALSにつながることがわかってきた。これを受け,アンチセンスオリゴヌクレオチドという人工の分子を使ってそうした遺伝子を封じる方法が,治療法の候補として浮上している。また早期発見と薬物療法の開発を促すため,疾患の進行状況を把握する方法も模索されている。

 

 

再録:別冊日経サイエンス224「最新科学が解き明かす脳と心」

 

著者

Leonard Petrucelli / Aaron D. Gitler

ペトルチェリはフロリダ州ジャクソンビルにあるメイヨー・クリニックの神経科学科教授,学部長。ギトラーはスタンフォード大学医学部の遺伝学の准教授。

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ALSの進行を抑える」,P. エビッシャー/A. C. カトー,2008年2月号。

原題名

Unlocking the Mystery of ALS(SCIENTIFIC AMERICAN June 2017)

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