日経サイエンス  2017年9月号

緊急レポート

脅威増す北朝鮮の弾道ミサイル

高坂哲郎(日本経済新聞編集委員)

 北朝鮮の弾道ミサイルの性能が急速に向上している。今年5月の実験で発射した中距離弾道ミサイルKN17は,自衛隊のミサイル防衛システムでは迎撃できない,約2000kmの高度に達した。その2カ月前に発射した4発の中距離弾頭ミサイルは日本海上のほぼ一直線上に等間隔で着弾し,狙った標的への誘導技術も手にしているとみられる。ミサイルの性能向上が明確になってきたのは,20発以上の発射実験を繰り返した2016年以降のことで,背後には米国主導の国際秩序に対抗するロシアによる支援がある。7月には米国をも直接脅かすミサイルが発射され,米軍の拡大核抑止(核の傘)が揺らぎかねない恐れが出てきた。北朝鮮兵器の実力と,日本にはどのような対抗策があり得るのかを探る。

著者

高坂哲郎(こうさか・てつろう)

東京外国語大学ドイツ語学科卒。1990年日本経済新聞社入社。国際部,政治部,証券部,ウィーン支局長,国際部次長を経て2011年編集委員。2012年より東北大学大学院非常勤講師を兼務。安全保障と危機管理を中心に取材している。日経電子版に「ニュースこう読む」を連載。

サイト内の関連記事を読む