日経サイエンス  2017年9月号

フロントランナー 挑む 第72回

共創を科学する異能 最良の人のつながり研究:三輪敬之

吉川和輝(日本経済新聞編集委員)

異なる人どうしが協力して成果を生み出す「共創」に注目
多彩な分野の専門家に呼びかけ新学会を設立した
薄れがちな人間関係を再構築するヒントを探る

 

3月21日,早稲田大学(東京都新宿区)の国際会議場内で,一風変わった学会のワークショップが開かれた。部屋の中央に集まった数十人の男女。それぞれが相手を見つけ,腕を伸ばし合ってお互いの手のひらを重ね合わせる。一方が手を押すと,相手は軽く押し戻したり,受け止めたりするような動きで応じる。「手合わせ表現」と呼ばれる身体表現のパフォーマンスだ。その中に運動着姿で動き回る,早稲田大学教授の三輪敬之の姿もあった。            (文中敬称略)

三輪敬之(みわ・よしゆき)
早稲田大学大学院創造理工学研究科教授。1947年名古屋市生まれ。1971年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学,同年,早稲田大学理工学部助手。講師,助教授を経て1986年教授。2009~2014年早稲田大学・モノ・コト・ヒト研究所所長を兼務。工学博士。日本機械学会フェロー。共著書に『場と共創』(NTT出版),『生命機械工学』(裳華房)など。