日経サイエンス  2017年8月号

この水は危険か? 米国のパーフルオロ化合物汚染

C. シュミット(ジャーナリスト)

飲料水にパーフルオロ化合物(PFC類)が見つかる米国の自治体が増えている。PFC類は炭化水素の大半の水素原子をフッ素原子で置き換えた人工の化合物で,多くの消費財の製造に使われてきたが,動物実験で健康への影響が示唆されたことから,日本を含め主要メーカーはすでに生産をやめている。だがPFC類はすぐには分解しないため環境中に広く存在し,人間の血液中に蓄積している。飲料水のPFC濃度として米環境保護局(EPA)は70ppt未満を推奨しているものの,どの濃度だと実際に危険なのかを決めるのは難しい。「安全ではないレベル」が宣言されていないため,地元の住民と自治体当局は動きが取れなくなっている。

著者

Charles Schmidt

メイン州ポートランドを拠点に活動するフリーランスのジャーナリスト。世界の環境問題と健康問題を追っている。本誌2017年3月号に枯葉剤エージェントオレンジに関する記事を執筆した。

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PFC類と不妊を関連づけた研究に関する情報

原題名

Don’t Drink the Water(SCIENTIFIC AMERICAN April 2017)

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パーフルオロ化合物パーフルオロオクタン酸(PFOA)パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)縦断研究