日経サイエンス  2017年8月号

特集:ブラックホールをあぶり出せ

放浪するブラックホールを探す

中島林彦(日本経済新聞) 協力:岡 朋治(慶應義塾大学)

天の川銀河には太陽の数倍~数十倍の質量を持つブラックホールが1億個以上存在するとみられる。うち少数は普通の星と結びついた連星でX線などを出しているが,多くは単独で宇宙を放浪していると考えられる。そうした単独ブラックホールは検出が難しいとされていたが,星間分子雲の動きを電波で観測することで,その存在をあぶり出せることがわかった。天の川銀河中心領域の星間分子雲の電波観測では,太陽の10万倍の質量を持つ大型ブラックホール候補の天体も見つかった。電波は重力波とともにブラックホール探索の新たなフロンティアとして発展が期待できる。

著者

中島林彦 / 協力:岡 朋治

中島は日本経済新聞科学技術部記者。岡は慶應義塾大学理工学部物理学科教授。電波,特にミリ波とサブミリ波の観測に基づいて天の川銀河の構造や銀河中心の大質量ブラックホールなどを研究している。

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