日経サイエンス  2017年4月号

フロントランナー挑む 第67回

無線送電の技術を応用 世界の電力利用社会に変革:篠原真毅

竹下敦宣(日本経済新聞大阪本社経済部次長)

電源ケーブル要らずのワイヤレス給電技術の開拓者
技術普及のために産学連携や標準化作業に取り組む
将来は宇宙で太陽光発電し,地上に送電する研究も

 

2月3日,京都大学生存圏研究所教授の篠原真毅は米シリコンバレーにいた。検索世界大手,米グーグルの技術者に会うためだ。会談では篠原が取り組む無線で電気を送る「無線送電(給電)」について最新の研究成果を詳しく説明した。 (文中敬称略)
無線送電は電気を有線のケーブルではなく,電磁波に乗せて無線で送る技術だ。「ワイヤレス給電」「非接触給電」とも呼ばれる。パソコンや携帯電話に使えればコードにつなぐ必要がなくなり,充電の手間が省けて使い勝手も大幅に高まる。将来は宇宙空間に浮かべた太陽光パネルから電気を地上へ無線で送る宇宙太陽光発電の実現も視野に入る。

 

 

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篠原真毅(しのはら・なおき)
京都大学生存圏研究所教授。1968年千葉県生まれ。91年京都大学工学部卒,96年同大大学院博士課程修了,博士(工学),同年より同大助手。2001年より同大助教授。10年より現職。専門は無線電力伝送,宇宙太陽光発電,マイクロ波プロセッシング。