日経サイエンス  2017年3月号

特集:脳を作る 脳を見る

透明化で見えた脳回路 CLARITY法の衝撃

K. ダイサーロス(スタンフォード大学)

脳の仕組みを解明するには,個々の脳細胞の詳しい観察と,脳全体の大規模な研究を組み合わせる必要があるだろう。一般に使われている光学的な撮影法では,不透明な脳組織の奥を見ることができない。細胞膜の水と脂肪分子の界面で光が散乱されてしまうためだ。この脂質を取り除き,脳のパーツをその場に保持する物質で置き換える新手法が開発された。邪魔な障壁を越えた内部を透かし見る窓となる。「ハイドロゲル埋め込み法」と総称される方法で,その先駆けが本文で詳しく紹介するCLARITY法だ。様々な行動をコントロールしている特定の神経回路の配線を調べることが可能になっている。

 

 

関連動画Scientists Create a Window into the Brain
著者ダイサーロスが語るビデオ。

著者

Karl Deisseroth

スタンフォード大学で生体工学と精神医学の教授を務めている。CLARITY法とオプトジェネティクスの開発によって2015年のルーリー生物医学賞を受賞。

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光で脳をコントロール」,K. ダイサーロス,2011年2月号。

原題名

A Look Inside the Brain(SCIENTIFIC AMERICAN October 2016)

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