日経サイエンス  2017年3月号

特集:脳を作る 脳を見る

脳の働きを解明し,また神経疾患の原因と治療法を探るのは現代科学の重要なテーマだ。この取り組みに大きく寄与する2つの新アプローチを紹介する。1つはiPS細胞(人工多能性幹細胞)などをもとに培養皿の上に脳の一部を作り出す技術。こうした「脳オルガノイド」はマウスなどの動物実験では得られない情報をもたらすうえ,アルツハイマー病など脳疾患を治療する新薬候補を実際に試すことができ,創薬の大きな武器になる。もう1つは脳組織を透明化するCLARITY法という新技術だ。脳の奥深くにある配線の様子をつぶさに見ることができる。開発したのは神経回路の機能を調べる「オプトジェネティクス」によってこの分野に革命をもたらしたスタンフォード大学のダイサーロス教授。ノーベル賞級の革新だ。

 
 

実験室で誕生 脳オルガノイド J. A. ノブリヒ

透明化で見えた脳回路 CLARITY法の衝撃 K. ダイサーロス

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