日経サイエンス  2017年2月号

特集 地球外生命探査

太陽から遠く離れた木星の衛星エウロパと土星の衛星エンケラドスはいずれも厚い氷に覆われた酷寒の世界で,大気もほとんどなく,生命など存在するはずがないように思える。しかし,氷の地殻の下には海があって,海底からは熱水が噴出していることが確実視されている。地球の深海底にも熱水噴出孔があって,その周辺に生物が群集しているが,そうした生物であれば,これら衛星の熱水噴出孔周辺で生息できる可能性があるという。これら衛星の南極域周辺では氷の割れ目から海水が噴出し,水蒸気や氷の微粒子となって上空数百kmまで噴き上げ,いわゆるプルームを形成している。このプルームを探査機で詳しく観測すれば,海水の成分がわかり,生命が存在するかどうかも調べられそうだ。日米欧でそのための準備が進んでいる。
 
 
 
土星の月エンケラドスは生きていた
  F. ポストバーグ/G. トビー/T. ダンベック
見えた! 木星エウロパの活動  中島林彦 協力:関根康人