日経サイエンス  2017年1月号

特集:時空と量子もつれ

ワームホールと量子もつれ 量子時空の謎

J. マルダセナ(プリンストン高等研究所)

量子物理学の法則によると,距離を隔てた2つの物体が「量子もつれ」という関係になる場合がある。両者を物理的に結びつけているものが存在しないにもかかわらず,一方に対してなされた行為が他方に影響する。一方,時空の幾何構造を記述する一般相対性理論の方程式は「ワームホール」の存在を許す。時空のなかで離れた2つの領域を結ぶ“近道”のようなものだ。これら2つの現象が実は等価である可能性が示された。この等価性は「時空の量子論」を打ち立てるためのヒントになる。

 

 

 

関連動画Quantum Entanglement-The Movie・量子もつれについて解説した動画

 

 

再録:別冊日経サイエンス229「量子宇宙 ホーキングから最新理論まで」

著者

Juan Maldacena

プリンストン高等研究所の理論物理学者。量子重力理論とひも理論の研究業績で知られる。2012年に基礎物理学ブレイクスルー賞を受賞。

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時空の終端 ファイアウォール」,J. ポルチンスキー,日経サイエンス2015年7月号。

原題名

Black Holes, Wormholes and the Secrets of Quantum Spacetime(SCIENTIFIC AMERICAN November 2016)

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