日経サイエンス  2016年11月号

特集:宇宙の超巨大構造

天の川を従えるラニアケア超銀河団

N. I. リベスキンド(独ポツダム天体物理学研究所) R. B. タリー(ハワイ大学)

 星が集まって星団や銀河を作るように,銀河は銀河団をなし,その銀河団は超銀河団を作る。これらの超銀河団は並んで巨大なフィラメントやシートを形成しており,その間隙であるボイドとともに,この宇宙で観測できる最大規模の構造を作り出している。近傍にある数千の銀河の動きを調べた近年の研究から,天の川銀河が属する超銀河団が従来考えられていたよりもはるかに巨大であることがわかった。この新発見の超巨大な構造は「ラニアケア超銀河団」と名づけられた。ラニアケアとその近隣の超銀河団をもっと詳しい地図に描けば,銀河形成に関して新たな詳細が判明し,宇宙論の2大ミステリーである暗黒物質と暗黒エネルギーを解明するのに寄与するだろう。

【関連動画】Mapping Laniakea, the Milky Way’s Cosmic Home:ラニアケア超銀河団の動態を示したビデオ

著者

Noam I. Libeskind / R. Brent Tully

リベスキンドはドイツのポツダム天体物理学研究所の宇宙物理学者。スーパーコンピューターを使って宇宙の進化と銀河形成をモデル化しており,特に天の川銀河や局部銀河群,周辺の矮小銀河に関心を持っている。ツイッターのアカウントは@satellitegalaxy。

タリーはハワイ大学の天文学者。40年間にわたり,銀河間の距離を測定して宇宙での銀河の分布や運動を地図にまとめてきた。1987年に出版されたフィッシャー(J. Richard Fisher)との共同著作「Atlas of Nearby Galaxies」は近傍宇宙の構造を最も広範囲にわたって記述している出版物だ。GPSなしでも道に迷わないのが自慢。

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銀河を操るダークウェブ」,N. I. リベスキンド,日経サイエンス2014年10月号。

原題名

Our Place in the Cosmos(SCIENTIFIC AMERICAN July 2016)

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