日経サイエンス  2016年7月号

フロントランナー挑む 第61回

数理とコンピューターで 生まれる折り紙の美:三谷 純

内村直之(科学ジャーナリスト)

一枚の紙を折り曲げて多種多様な形を表現する折り紙
コンピューターによって可能性が広がる
アートにも,立体模型としてモノづくりのヒントにも

 

 

一枚の紙を何回も折り曲げるだけで    多様な形を実現する「折り紙」。世界のあちこちにあるというが,その中でも特に日本では数百年にわたって広く楽しまれている。その世界が数理とコンピューターによって変貌しつつある。折り紙といえば子供の頃に折った「つる」や「やっこさん」を思い出す。もっと高度な技術を使って虫や人を表現する折り紙もある。しかし,それだけが折り紙ではない。2016年4月,三谷純が東京・白山の「ギャラリーおりがみはうす」の個展で並べた作品約60点はどれもが,これまでの折り紙の世界を跳び越えたものなのだ。

(文中敬称略)

 

 

再録:「挑む!科学を拓く28人」」

 

三谷純(みたに・じゅん)
筑波大学大学院システム情報系 教授。1975年6月28日静岡県富士市生まれ。同県立富士高等学校を経て94年東京大学入学,96年同工学部精密機械工学科に進学。98年同大学院工学系研究科に進む。2004年同大学院博士課程修了。理化学研究所特別研究員を経て05年筑波大学大学院システム情報工学研究科講師,同准教授を経て,2015年同教授。