日経サイエンス  2016年6月号

エコツアーに揺れるガラパゴス

P. トゥリス(サイエンスライター)

ガラパゴス諸島への観光客が急増し,彼らが見に来た生物多様性そのものが脅かされている。1990年代初めに年間4万1000人だった観光客は2013年に初めて20万人を突破し,2015年には22万4000人を超えて記録を更新した。エクアドル政府は観光収入増進策を奨励しているが,野生生物専門家たちは観光客数を規制しないとガラパゴスは破滅すると指摘している。これらの専門家は年間の観光客数の上限として24万2000人を推奨する報告書を2014年初めにまとめたが,政府の動きは鈍い。国立公園管理局は観光客の便宜を図るために遊歩道などの施設を整備している。果たして健全なエコツアーを育成できるのか,正念場だ。

 

 

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再録:別冊日経サイエンス226「動物のサイエンス 行動,進化,共存への模索」

 

著者

Paul Tullis

サイエンスライター。オンラインマガジンTakePartの編集者で,Scientific American Mind誌やNew York Times Magazine誌, オンラインマガジンのSlateなどに執筆している。

原題名

Galápagos Stampede(SCIENTIFIC AMERICAN April 2016)

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