日経サイエンス  2016年5月号

アリの集合知

D. M. ゴードン(スタンフォード大学)

アリのコロニーは1匹の女王アリと多数の働きアリ(不妊のメス),いくらかのオスで構成され,働きアリがせっせと食べ物を集めたり巣を修復したりして見事な社会を築いている。だが,女王アリが権力を振るって働きアリに指令しているわけではない(怠け者の「首をはねよ!」と命ずることもない)。コロニーに特別な司令官はおらず,個々のアリがコロニー全体の利益を“考えて”いるわけでもなさそうだ。なのになぜ,統率の取れた集合行動ができるのだろうか? アリの観察と実験から,匂いに基づく単純な相互作用から集合行動が生まれてくる仕組みが見えてきた。中央制御なしに機能する人工システムを考えるヒントにもなりそうだ。

著者

Deborah M. Gordon

スタンフォード大学の生物学者。アリの集合行動に的を絞って研究している。

原題名

Collective Wisdom of Ants(SCIENTIFIC AMERICAN February 2016)

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