日経サイエンス  2016年5月号

動物は理解? 赤ちゃんはどこから来るのか

H. ダンスワース(米ロードアイランド大学)

ゴリラのココは人に飼われている雌のローランドゴリラで,手話で意思を伝えることができる。出産年齢を過ぎた彼女に母親になるための4つの選択肢を見せたところ,指さしたのは「他の雌を迎えて赤ちゃんを出産してもらう」という方法だった。だが,類人猿とヒトの進化を研究している著者は,動物にはセックスで子どもができることを理解するのに必要な認知能力が欠けていると反論する。類人猿の知能は高いが,抽象的な推論を行っているという証拠はなく,生殖に関する知識を他者に伝える術もない。動物が見せる親としての愛情深い振る舞いにはホルモンの作用が関係しており,そこには生殖と出産,血縁を結びつける知識は不要だ。

著者

Holly Dunsworth

 ロードアイランド大学の人類学者で類人猿と人間の進化を研究している。科学ブログ「マーメイズ・テール(人魚の話)」に寄稿。生殖に関する考え方が進化に及ぼす影響について探求した本『The Baby Makers』の共著者。

原題名

Do Animals Know Where Babies Come From?(SCIENTIFIC AMERICAN January 2016)

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