日経サイエンス  2016年3月号

恐竜を滅ぼした小惑星衝突プラスアルファ

S. ブルサット(英エディンバラ大学)

恐竜の絶滅は科学の最大の謎の1つ。最も支持されているのは小惑星の衝突が恐竜を全滅させたとするものだ。これに対し,恐竜の衰退を招いた別の要因があったのではないかと疑う研究者もいた。著者は10人ほどの恐竜専門家を集め,恐竜が消えた時期の前後に起きた様々な環境変化について長期的視点で議論した。その結果,小惑星が衝突したタイミングが恐竜たちにとって,たまたま最悪の時期,それまでの環境変化のせいで彼らの生態系のバランスが危うい状態になっていた時期であることが浮かび上がってきた。これは従来の定説に予想外の新しいひねりが加わったことを意味し,現在の世界と私たち人類の進化の物語にも大いに関連している。

 

 

【関連動画】著者のBrusatteが恐竜絶滅について語った動画

 

再録:別冊日経サイエンス220 「よみがえる恐竜 最新研究で明かす姿」

 

著者

Stephen Brusatte

英スコットランドのエディンバラ大学の古生物学者。研究の中心テーマは恐竜の進化と恐竜の解剖学。SCIENTIFIC AMERICAN誌に寄稿した前回の記事ではティラノサウルスの繁栄について考察した。

原題名

What Killed the Dinosaurs(SCIENTIFIC AMERICAN December 2015)

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