日経サイエンス  2016年2月号

特集:教育改革に挑む米国

テストで学ぶ

A. M. ポール(サイエンスライター)

米国で2002年に「落ちこぼれ防止法」が施行されて以来,3年生から8年生の全員に毎年学力テストを義務づける規定に対する保護者と教師の反対が強まっている。一発勝負の評価が生徒と教師に重荷となり,学校が有意義な学びの場ではなくテストに備えるための機械的学習教室になってしまうとの批判だ。一方,認知科学と心理学の研究から,テストを適切に利用すれば効果的な学習が可能であることが示された。試験をまったくしない場合よりも,学習した事実が記憶によく残り,理解も深まる。全米共通学力基準をどれだけ満たしているかを評価するために開発されつつある新しいテストは,深層学習の評価手段として有望だ。
 

 
再録:別冊日経サイエンス232「認知科学で探る 心の成長と発達」
 

著者

Annie Murphy Paul

サイエンスライター。New York Times紙やTime誌,オンライン雑誌Slateなどに執筆している。著書「The Cult of Personality Testing and Origins」はNew York Times紙による2010年の「今年注目を集めた100冊」に選ばれた。近く「Brilliant: The Science of How We Get Smarter」を出版予定。

原題名

A New Vision for Testing(SCIENTIFIC AMERICAN August 2015)

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