日経サイエンス  2015年5月号

色の変化で動きを見る モーション顕微鏡

F. デュラン(マサチューセッツ工科大学) W. T. フリーマン(マサチューセッツ工科大学) M. ルービンスタイン(グーグル)

 青ざめたり赤らんだり,顔色には感情の起伏が表れる。しかし,まったく平静なときにも顔色は心臓の拍動に合わせて微妙に変化している。画像処理技術が進歩,今や顔色から脈拍が読み取れるようになった。その研究に取り組んでいた著者らは微妙な色の変化から,目で捉えるのは難しい微小な動きを検出できることを発見。微かな動きを拡大して表示する「モーション顕微鏡」を考案した。寝ている赤ちゃんの映像を,その顕微鏡にかけると,呼吸による微かな動きがはっきり見えてくる。遠目には静止している建設クレーンが風を受けて,ほんのわずかに揺らぐ様子も検出できる。健康チェックや機械の異常診断など様々な分野への利用が期待されている。

 

【関連映像】 モーション顕微鏡の映像:A World of Tiny Movements

著者

Frédo Durand / William T. Freeman / Michael Rubinstein

デュランはマサチューセッツ工科大学の電気工学およびコンピューターサイエンスの教授。コンピュテーショナルフォトグラフィ(計算写真学)を研究している。フリーマンも同大学の電気工学およびコンピューターサイエンスの教授。機械学習をコンピュータービジョンにどう応用できるかについて研究している。ルービンスタインはグーグルのリサーチサイエンティスト。コンピュータービジョンを研究している。マイクロソフトリサーチとマサチューセッツ工科大学に在籍中にモーション顕微鏡に関する研究を行った。

原題名

A World of Movement(SCIENTIFIC AMERICAN January 2015)

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