日経サイエンス  2015年5月号

フロントランナー挑む 第49回

国際リニアコライダーの心臓部を作る:山本明

中島林彦(編集部)

万物の根源を探索する次世代の超大型加速器,国際リニアコライダー
その心臓部となる,電子と陽電子を加速する超伝導加速空洞を
日本主導で開発し,実用化への見通しをつけた

 


 筑波山麓にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)。案内された施設に入ると銀色にまばゆく輝く長さ約1mの奇妙な物体が試験台に置かれていた。直径約30cmの膨らみが9つ連なった大きなダンベルのような形だ。一方の端から覗き込むと,中は空洞で,向こうが見通せる。何ともユーモラスな形だが,これが技術の粋を集めた「超伝導加速空洞」で次世代の超大型加速器,国際リニアコライダー(ILC)の心臓部だ。「このきれいな形になるまでに,先達による長い地道な開発の積み重ねがあった。失敗を繰り返し,数え切れない試行錯誤の末,実用に耐える性能,形が実現した」と開発を主導する山本明は感慨深げに話す。 (文中敬称略)

 

続きは発売中の日経サイエンス2015年5月号にて

山本明(やまもと・あきら)
高エネルギー加速器研究機構(KEK)特別教授。1949年京都府生まれ。72年自由学園最高学部を卒業,KEKの前身である文部省高エネルギー物理学研究所に。96年同研究所教授,2004 年KEK超伝導低温工学センター長,07年国際リニアコライダー(ILC)国際共同設計チーム・プロジェクトマネージャー。2013年から現職。ILC計画を推進する国際組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)のアジア地域・ディレクターで,KEKではリニアコライダー計画推進室長を務める。

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